『もう、「あの人」のことで悩むのはやめる』玉川真里
最近、PTSDに関する本をいくつか買って読んでいます。
PTSDに関しては最近、PTSGとか、PTGという概念が研究されるようになっており、以前は心に傷を負ってストレスにより生きづらさを感じる人についての研究が主体だったけれど、今は外傷後のその人の成長という点においても、注目を集めているようです。
私が、PTSDに関しての専門書を初めて読んだのは、学生時代でもう20年以上前になります。(めちゃくちゃ分厚くて学生のお小遣いには重かったけど、新宿紀伊国屋に関連本もほとんど無かったので、お持ち帰りしました)当時わかっていたことよりもさらに多くのことがわかってきているようで、自分の経験と照らして、とても興味深いです。
この本の著者の玉川真里さんは、元自衛隊の臨床心理士をしていた方です。自衛隊の海外派遣等については、自殺者が多いということを以前聞いたことがありました(本によるとその噂は本当だったようです)
軍隊の統制というのは、ある意味人間らしい生き方の尊重とは真逆の方向だったりするので、その中で仕事をされていて、大変だっただろうと思います。
さて、『他者思考』ではなく、『自分思考』で生きる、ということは、この本の中核にある考え方です。
読んでいて、そうだったなと今の私にすごく必要なことだった、と改めて知ることができた。
本というのは、一期一会で、自分の興味の赴くまま読んでいると、人生の道しるべになってくれたりするもの。出会いって面白いよね。
私は多読かつ乱読なので、一冊につき1単語でも一フレーズでも、読んで良かったと思える情報があれば、購入した甲斐があったと思っています。(それを言い訳に書籍を購入します 笑)
時々、丸ごと一冊食べてしまいたいくらい大好きな本もあったりしますが(笑)
そういえば、先日とある人が、PTSDはなろうと思ってなれるものではないから、その体験は貴重な体験だから生かした方がいい、というようなことを言っていて、そういう発想もあるのだなと思いました。よくも悪くも、新鮮だったというか。
今、苦しんでいる人には、不謹慎に思えるような言葉かもしれません。わからないから言える、っていう気持ちになるよね、きっと。
ただ、終わりのない戦いだと思って絶望してる人がいるのなら、そうはならない道も、微かながら残されているのかもしれない、そういう希望があるのかもしれない、って思えるだけで、それを自分の中から探し出す手がかりにはなるかもしれない。
先人が辿った道を、消えそうなけもの道を頼りに歩くことも不可能じゃない。
20年前はそういう研究すら始まったばかりだったのだから、人類は進化していくんだなと、改めて思ったりしました。